技と昆布へのこだわり
原料には、北海道産天然真昆布を使用しています。
真昆布の産地として知られている道南地方ですが、真昆布と言っても、採れる浜によってずいぶんと質が異なります。
当社使用の真昆布の産地は「白口浜」とよばれ(昆布断面の切り口が白いためにそう呼ばれています)、味良く、旨みも強く、癖がないのが特徴で、昆布加工に最も適しているため「昆布の王様」とも呼ばれています。その白口浜産真昆布の中でも天然物で肉厚の昆布を厳選し、さらに傷がなく形のそろったものだけを使用しています。
高品質な「とろろ」や「おぼろ」に加工するためには昆布の選別、酢に浸す時間、包丁での削り方や、包丁の研ぎ方など、職人の長年の経験と努力が必要とされます。
当店職人の三田嘉治はおぼろ昆布の手漉き(てすき)職人として、60年間の経験を有しております。 その特徴的な手法は昆布を削る刃物にあります。秋田と呼ばれる金属片を使い包丁の刃先を撫でるように滑らせて、目に見えない程度の角度で刃先を内側に曲げておきます。そして微妙な力加減によって昆布の表面を削ります。そうすることにより、機械では作り得ない、極上のおぼろ・とろろ昆布に仕上がります。
味の特徴としては、ふわりと溶けるほどに薄く、熟成させた真昆布から出る旨みを最大限に引き出して甘みと香りが口いっぱいにひろがります。
手すきおぼろ・とろろ職人 三田嘉治
- 昭和32年
- 家業であった手加工昆布の昆布職人になる
- 昭和60年
- 小倉屋(株)堺営業所で昆布職人として就職
当店を代表する最高級のおぼろ昆布・とろろ昆布
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扇翁(おうぎおきな)
手製白おぼろ昆布。北海道産天然真昆布を使用。
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白尉(しろのじょう)
手製白とろろ昆布。北海道産天然真昆布を使用。
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黒尉(くろのじょう)
手製黒とろろ昆布。北海道産天然真昆布を使用。
大阪戎橋筋 をぐら屋の製造工程
- 昆布の表面を細かいのこぎり状の包丁を使い表面を削っていくと、黒とろろ「黒尉」が出来ます。
- 残って白くなった生地の状態を見極め、傷がなくきめの細かいものは白おぼろに、
それ以外は白とろろに選別されます。 - 白とろろの生地をとろろ用の包丁で削っていくと白とろろ「白尉」が出来ます。
- 白おぼろの生地は形を切り揃えたのち、重石をのせ、圧力をかけ数日うませる(熟成)といっそう繊維が柔らかくなり 昆布の表面に旨み成分のアミノ酸が白く浮き出てきます。その後適度に乾燥した生地を削っていくと、白おぼろ昆布「扇翁」が出来ます。